「台灣新野菜主義」吳雪月

旅して集めたコレクション、台湾文庫にある本を紹介するコーナーです。

天下文化社の「自然図鑑系列」がマニアックで面白い。
魚、果物、野鳥、花、昆虫などのまあ言えば図鑑なのですが、
とくに面白いのが、「野菜」なんです。

大樹経典 自然図鑑系列06「台灣新野菜主義」
作者: 吳雪月
出版社:天下文化
出版日期:2006/08/25
台灣新野菜主義

野菜の何が面白いかっていうとですね、
「野」菜って書くじゃないですか。
中国語では、野草のことなんです。

野菜の原種って、もともとはぜんぶ野草なんですよね。
それで、野菜は中国語でなんというかというと、「蔬菜」ですよ。蔬菜(シューツァイ)。

シリーズには「蔬菜図鑑」もあって、もちろんゲットしてます。



蔬菜と野菜の話になると、またまた語りたいことが山ほどあるのですが、脱線するのでさておき。

一言で言うと、この本は、アミ族の自然と共に生きる知恵の図鑑なんです。

もちろん、日本には沖縄にしか生えてない草もあるんですが、基本的な植物との付き合い方とか、活かし方は日本の暮らしにも共通するところが多々あって、すごく参考になるんですよ。

<もくじ>
第一章:アミ族の野草文化
民族祭典における植物利用、食具と日常生活での植物の活かし方について。

第二章:暮らしの中での野草の活用方法
狩猟採集技術や有毒植物の見分け方など、野草を暮らしに取り入れる知恵の図鑑。

第三章:アミ族の野草図鑑
食べられる部位、根や茎、葉、実に分類して63種類の野草と食べ方を紹介。





写真たっぷりでとてもわくわくするのですが、6種類の野草をつかった草麹の起こし方や粟のどぶろくについて、食べられる木ノ実と保存方法、それから、植物を使ったお皿やバスケットなどの手仕事なども紹介されています。


作者の呉さんは、パイワン族やアミ族など原住民属の野草の知恵について研究されている野草名人で、講義はyoutubeでもみれますよ。



「種子は人を選ぶ」
いやいや、名言でしょう。

同じタネでも他の土地に行けば形を変える。
風土に根付いて来た種子がその風土の食文化を育んできました。
人がタネを選別して来たのか、タネが人を選んできたのか。

アミ族の中でも、海側と山側では野草も違えば習慣も違う。
なぜなら土が違うから。気候が違うから。
そんな深いお話。
おもしろいでしょ?


ついでに、わたしが台湾を旅してて美味しかったなあと思った印象的な野草。

「山蘇花」日本でいうと、オオタニワタリですかね。沖縄の人は食べるのでしょうか。
「蕨猫」「過溝菜」 これはゼンマイかな。やはり炒め物ですね。
「咸豐草」キク科のセンダングサ。スープとかに入ってます。日本じゃ食べないですよね。

もし、野草に興味があったら、図鑑からでてきたような野草がずらりと解説されててバイキング形式でたべられるおすすめの場所があります。台東にある食べられる原生植物園です。

台湾大学の植物標本館もすごく楽しいのですが、なんといっても実際に食べられる植物園はいいですよね。

台東原生応用植物園 
台東縣卑南鄉明峰村試驗場8號 
+886 8 957 0011
https://yuan-sen.com.tw

手作りのソースも多様

解説を読みながら食べられる
<野草を学ぶ旅の記録>


アミ族の村へはまだいったことありませんが。
次回行くならぜひいってみたい場所があります。

また、コロナ後に同行者募集すると思います。
興味ある人はまた、こちらで募集するのでフォローいただければと思います。

では今日はここまで。




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1 コメント

  1. コロマン草で検索していてたどり着きました。私は屋久島で簡単に育つ果樹や野菜を作っています。センダングサっていろいろ種類がありますが、どれでしょう。シロバナセンダンはこちらでは手を焼く雑草で、食べられるってことなので、食べてみましたが、あまりおいしくないですね。いくらでも生える雑草の中で一番おいしいのはベニバナボロギクでしょうか。
    台湾の旅いいですね。そのうちお供したいです。

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